FXのシステムトレードを通じた資産運用

FXによる資産運用といえば、一般には裁量トレードと呼ばれるものが中心になります。裁量トレードは、トレーダー自身が、為替相場の値動きを注視しながら、その時々に合った外貨の売り、買いの発注をすることで、為替差益を得る手法のことです。

裁量トレードの場合、たまたま発表された統計指標の結果や、各国の中央銀行の政策変更、その他突発的な自然災害やアクシデントなどによって、相場の値動きが急変したとしても、すぐにその値動きを見ながら適切な処理ができることがメリットといえます。これによって、予定していた以上の利益が得られることもあれば、逆に予定外の損失を最低限に抑えることも可能になります。そのいっぽうで、FXをしている最中は、トレーダーは常時モニターで相場の値動きを監視していなければならず、時間的にも、精神的にも、なかなか困難な部分があるのは確かです。

このような課題に対処するために編み出されたのが、FXにおけるシステムトレードとよばれる方法です。システムトレードは、あらかじめプログラミングされた機械に、FXにおいて必要な売り、買いの注文を自動的に発注させるものです。自動であることのメリットとして、トレーダー自身が相場に張り付いている必要がなく、時間を有効利用できることのほか、裁量トレードではありがちな、もっと利益を出したい、損失を出したくないという自然な感情によって陥りがちなミスを防ぐことができる点が挙げられます。

特に、さまざまな資産運用の方法において、人間の感情が及ぼす影響は軽視されがちですが、実際にFXを通じた資産運用に取り組んでみると、感情の偏りや過度な期待が、結果として資産運用の成功を阻害する要因になり得ることがよくわかります。利益を得たいという期待が強いために、本来であれば決済して利益を確定させるべきベストなポイントでの決済を遅らせてしまい、その後に相場の反転でかえって損失になることは少なくありません。システムトレードであれば、文字通りの機械的な、ルールにそった決済となるため、チャンスを逃すことがなくなるという意味で効果的です。